飛行機恐怖症は、決して特別な人間だけが患う病理ではありません。第一線で活躍するトップタレントや文化人の中にも、深刻な恐怖症を告白し、それを乗り越えてきた人々が多数存在します。
お笑いタレントの千原ジュニア氏や有吉弘行氏は、過去の番組や自著、インタビューにおいて、極度の飛行機恐怖症であることを公に語っています。千原ジュニア氏はかつて、飛行機のドアが閉まった瞬間に全身から冷や汗が噴き出し、「今すぐ降ろしてくれ」と叫びたくなるほどのパニックに襲われていたことを赤裸々に明かしています。有吉弘行氏もまた、新幹線で移動できる場所は極力陸路を選び、どうしても飛行機に乗らざるを得ない際は、離陸の瞬間から身体を硬直させて耐えていた時期があったと語っています。
また、女優の剛力彩芽氏もかつてテレビ番組の取材に対し、機体の揺れに対する強い恐怖や、搭乗前に極度の緊張状態に陥ることを打ち明けています。こうした著名人の告白に共通しているのは、「自身の恐怖を恥じずに周囲へオープンにし、無理に格好をつけないスタンスを取ったこと」です。千原ジュニア氏は、信頼できる医師に相談して適切に処方薬を利用することや、機内での過ごし方をルーティン化することで、恐怖をコントロール可能な水準まで手なずけることに成功しました。
ソーシャルメディア上の当事者コミュニティ(Xや知恵袋など)を分析しても、克服に成功した人々の声には共通項があります。「精神科に行くのを何年もためらっていたが、受診して頓服薬を1錠もらっただけで、過去10年の苦しみが嘘のように落ち着いて乗れた」「CAさんに搭乗時、『揺れが本当に苦手です』とメモを渡したところ、揺れる前に『気流の影響ですが安全には問題ありませんよ』と声をかけてもらい、一度も過呼吸にならずに済んだ」といった実体験が数多く共有されています。孤独に耐えるのではなく、「他者や医療の手を借りる勇気」こそが、克服への決定的な分岐点であることが分かります。