アニメーション監督の富野由悠季が本作で試みたのは、従来のロボットアニメには存在しなかった「戦争の日常性」の描写だ。巨大ロボットが合体して敵を倒すだけのスカッとした娯楽劇ではなく、エネルギー補給、部品の損耗、そして何より日々の食事という泥臭いミリタリーリアリズムが組み込まれた。
ロボットが飛ぶSFアニメの世界に「塩不足」を持ち込んだ革新性。それまでのアニメーション産業では省かれがちだった「兵糧攻め」や「兵站(ロジスティクス)」の重要性を描くキーパーソンとして、タムラ料理長というキャラクターはあまりにも完璧な役割を果たしたのである。