大阪の二大花街として比較される飛田新地と松島新地。両者の違いは、街を一歩歩けば体感できるほど明瞭だ。飛田新地が圧倒的な規模感と圧倒的な熱気で異彩を放つ「巨大テーマパーク」的様相を呈しているのに対し、松島新地は落ち着いた、生活感の漂う住宅街と隣接した独特の静寂を保っている。
店舗の造りにも違いが見られる。飛田新地はオープンな玄関口で女性とやり取りするスタイルが有名だが、松島新地はやや控えめで、料亭らしさを前面に出した重厚な佇まいの店も多い。客層においても、大騒ぎするグループ客よりも、静かに街を訪れるソロ客の比率が高いのが松島の特徴だ。
歴史的背景の差も雰囲気に影響を与えている。飛田がかつての遊郭の面影を濃厚に残すのに対し、松島は戦後の再開発や西区という立地条件から、より現代的な都市環境の中に溶け込んでいる。この適度な距離感と静けさを好んで松島を選ぶリピーターは少なくない。