撮影現場の舞台裏では、若手俳優同士の凄まじい緊張感が漂っていたという。当時の制作スタッフの証言によると、工藤美月が物語の中心となる第3話の撮影期間中、新川は楽屋でも役に没頭し続け、周囲を立ち入らせないほどの集中力を維持していた。緊迫した教室の撮影では、監督の指示を超えたリアルな感情のぶつかり合いが生まれ、現場全体が息をのむ瞬間が何度も訪れた。
決定的なブレイクの引き金となったのは、それまで絶対的優位に立っていた美月がカーストの崩壊とともに取り乱す名シーンだ。これまで見せたことのない取り乱した涙と本音の叫びは、同世代の視聴者のみならず劇評家からも絶賛を浴びた。ただ可愛いだけのモデル出身女優という偏見を完全に吹き飛ばした真相には、現場で見せた一切の妥協を許さない執念が存在していたのだ。