世界銀行オープンデータ (World Bank Open Data) や Our World in Data の包括的な分析が明らかにしたのは、世界的な合計特殊出生率 (TFR) の急落という異変だ。人口置換水準とされる「2.1」を割り込む国は先進国にとどまらず、中所得国や一部の途上国にまで一気に拡大した。韓国のTFRが0.7台という極限状態を記録するなか、東アジア全域が前例のない人口密度の収縮に直面している。
これは単なる福祉の問題ではない。マクロ経済学・地政学リスク分析の専門家たちが警告するのは、国内消費市場の蒸発、税収基盤の崩壊、そして国防を担う兵員の絶対的不足だ。労働生産性の向上が人口減少のスピードに追いつかなければ、国家財政は雪だるま式に悪化し、通貨信認の失墜や地政学的なパワーバキュームを生み出す。人口動態の激震は、目に見えない形で各国の安全保障体制を内部から侵食している。