彼が築き上げてきたキャリアの足跡は、現代アニメ史のハイライトと完全に重なり合う。代表作を挙げれば枚挙にいとまがない。『アイドリッシュセブン』の九条天役で見せた完璧主義者の脆さと気高さ。『ヒプノシスマイク』の夢野幻太郎役で放った、幻惑的で文学的なフロウ。いずれも彼の知性と声の艶があってこそ成立した名演である。
そして、名作の再構築として大きな注目を集めた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の緋村剣心役。伝説的なタイトルの看板を背負う重圧を跳ね除け、優しさと狂気が同居する新たな剣心像を見事に提示してみせた。実力派声優としてのポジションを不動のものにしたのは、徹底したテキスト読解力とキャラクターへの深い敬意に他ならない。