加藤のキャリアを語る上で避けて通れないのが、『魔法少女まどか☆マギカ』におけるキュゥべえ役だ。愛らしい小動物のような外見と、感情を持たず合理性のみで動く冷徹な内面。その強烈なギャップは、日本中を震撼させた。
「当初は本当に『可愛いマスコット』として演じていました。悪意がないからこそ恐ろしい。その無機質な純粋さをどう声に乗せるか、音響監督やスタッフと綿密にディスカッションを重ねたことを鮮明に覚えています」
ダークファンタジーの歴史を塗り替えた本作において、彼女の怪演は作品の不条理劇を成立させる決定打となった。単なる悪役ではなく、宇宙の法則そのものを体現する存在として命を吹き込んだ技術の深さは、今振り返っても驚異的だ。