ネット上の情報では「敷居が高い」「一見客には入りづらい」と噂されることもありますが、実態は大きく異なります。スタッフは親身に家具の由来や手入れの方法を教えてくれるため、アンティーク初心者であっても決して身構える必要はありません。
しかし、実際に古家具を購入するにあたっては、プロの視点から見て注意すべき3つの盲点があります。
第1に、搬入経路と現代住宅の寸法差です。明治・大正期の箪笥は、現代のタワーマンションや一般的な賃貸アパートのエレベーター、玄関ドアの開口幅、階段の踊り場を想定して作られていません。デザインや雰囲気に一目惚れして購入を決める前に、搬入経路の採寸をミリ単位で行う必要があります。
第2に、木材の乾燥と空調管理です。100年近い時を経てきた木材は、現代の高気密・高断熱住宅やエアコンの直風にさらされると、急激な乾燥によって反りやひび割れを起こすリスクがあります。加湿器の併用や直射日光の回避など、住まい手側の細やかな気配りが不可欠です。
第3に、完全な均一性を求めない心構えです。pejiteの職人によって実用上問題のないレベルまで補修されているものの、古家具には長い年月で刻まれた傷や色ムラ、わずかな歪みが残っています。これを「味わい」として慈しめるかどうかが、後悔しないための決定的な分水嶺となります。