数字の裏側にある現場の息遣いを掴むため、実際に社内恋愛を経験した当事者たちへの取材を行いました。そこから浮かび上がってきたのは、日常のふとした瞬間に訪れる「感情の転換点」です。
都内大手IT企業に勤務するプロジェクトマネージャーの男性(31歳)は、社内恋愛のきっかけを次のように振り返ります。
「新規サービスのリリース直前、連日トラブル対応に追われていた時期がありました。深夜まで同じチャットルームで画面を睨み合い、障害を乗り越えた瞬間に彼女と交わしたハイタッチが忘れられません。互いに飾らないすっぴんの仕事ぶりを知っていたからこそ、交際が始まってからも生活の価値観でぶつかることがほとんどありませんでした」(30代・IT企業勤務男性の手記より)
一方、地方中核病院の急性期病棟で勤務する看護師の女性(28歳)は、医師との距離が縮まる瞬間について明かします。
「当直帯の急変時、的確な指示を出して患者さんを救い上げた主治医の姿には自然と尊敬の念が湧きます。朝方のカンファレンス後、疲れた表情で『お疲れ様、助かったよ』と缶コーヒーを差し入れられた瞬間、仕事仲間以上の感情を自覚しました。お互いの多忙さを理解し合えるのは、医療従事者同士ならではの強みです」(20代・病棟看護師の手記より)
SNSやネット掲示板のコミュニティでも、「研修中のグループワークで同じ班になった同期と付き合い始めた」「コールセンターでクレーム対応に泣きそうになっていたとき、フォローに入ってくれたリーダーに一目惚れした」といった証言が多数寄せられています。いずれも意図的な口説き文句ではなく、「困難な業務への真摯な姿勢と相互サポート」が恋の着火剤となっていることが共通しています。