モニュメントの中央、黒御影石のプレートには、石原慎太郎氏の直筆による力強い筆跡で「太陽の季節 ここに始まる」という一文が刻まれています。この言葉に込められた真相とは何だったのでしょうか。
慎太郎氏は生前の特番インタビューや自著・手記において、戦中派の重苦しい死生観や既成の文学が垂れ流していた無力感に対する激しい反発心を吐露していました。「死と隣り合わせだった戦時体制が終わり、眩しい太陽のもとで肉体と意志を取り戻した瞬間が、あの逗子の海だった」と振り返っています。つまり、この碑文は単に自著の宣伝文句ではなく、戦後日本の精神史において「既成道徳の束縛を脱ぎ捨て、個の欲望と行動力を解放した原点」を逗子の海に見出した宣言に他なりません。
碑の頂部には、太陽に向かって羽ばたく若者を象徴するかのようなブロンズ像が据え付けられています。日射しを浴びて輝く彫刻と直筆の刻字は、敗戦の挫折感を突き破ろうとした当時の若者たちの野心と焦燥を、視覚的に鮮烈に表現しています。