健康診断当日の下着として、日常的に愛用者の多いカップ付きキャミソールやスポーツブラを選ぶ受診者は年々増加しています。大手通販サイトの購買動向でも「健康診断対応下着」を謳うカテゴリーが数百件規模で展開されるなど、インナー選びへの関心は極めて高い水準にあります。しかし、健診センターの受付や更衣室で「その下着は外してください」と告げられ、困惑するケースが頻発しています。
根本的な疑問として浮上する健康診断ブラトップNGの理由は、金属ワイヤーの有無だけではありません。ブラトップに内蔵されているモールドカップ(ウレタンフォーム等の成形パッド)やアンダーバストを一周する太いゴムバンド、肩紐の長さを調節するパーツの厚みが、放射線技師が観察すべき微細な肺の陰影と重なってしまう点にあります。
同様に健康診断スポーツブラ着用についても注意が必要です。激しい動きを支えるために高密度に編まれた伸縮性生地、背中側のクロス構造、生地の重なり部分などは、X線の透過率に局所的なムラを生じさせます。「金属が入っていないから100%安全」という受診者側の認識と、「わずかなノイズも病変の誤認・見落としにつながるため排除したい」という撮影技術者の判断との間に、小さくない認識のギャップが存在しています。