受診者が最も気にする「自分はどちらを受けるべきか」という疑問は、疑われる病気や部位によって決まります。
CTが得意な領域は、硬い組織や空気を含む臓器、急激な出血の描出です。たとえば、頭蓋骨の骨折、事故による外傷、急性期の脳出血やクモ膜下出血、肺がんや肺炎などの胸部病変、腹部急性疾患(虫垂炎や結石など)では第一選択となります。わずか数秒で広範囲を撮影できるため、一刻を争う救急医療の現場では欠かせません。
一方、MRIが得意な領域は、水分を多く含む軟部組織の微細な変化です。発症初期の超急性期脳梗塞の検出力はCTを大きく上回り、発症から数時間以内の微小な梗塞巣も鮮明に捉えます。さらに、脳動脈瘤を早期発見する脳ドック、椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍、膝の靭帯損傷や半月板損傷、子宮や卵巣・前立腺といった骨盤内臓器の病変鑑別において絶大な威力を発揮します。
頭痛で受診した場合の使い分けとしては、「激しいバットで殴られたような突然の頭痛」ならクモ膜下出血を疑い即座に頭部CT、「徐々に強まる慢性的な頭痛やしびれ」なら脳腫瘍や微小脳梗塞を精査するために頭部MRIが選ばれるケースが一般的です。