万が一、牡蠣を食した後に激しい吐き気、嘔吐、水様性の下痢、38℃前後の発熱や腹痛に襲われた場合、初動の対応が生死を分けるほど重要になります。
最も重要な鉄則は、「自己判断で市販の下痢止め(止瀉薬)を服用しないこと」です。下痢や嘔吐は、体内に侵入したウイルスと毒素を体外へ排出しようとする生体防御反応です。強い下痢止めで腸の蠕動運動を止めてしまうと、ウイルスが腸管内に長くとどまり、症状の長期化や重症化を招く危険があります。
自宅での応急処置としては、嘔吐が落ち着いたタイミングを見計らい、経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクを少量ずつ頻回に摂取し、脱水症状を防ぐことが治療の基本となります。また、ノロウイルスにはアルコール消毒液が効きにくいため、吐瀉物や便の処理には0.1%(1,000ppm)の次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤の希釈液)を用い、使い捨ての手袋とマスクを着用して飛沫感染・接触感染を徹底的に封じ込める必要があります。