ビジネスメールや電話応対で最も頻繁に比較されるのが、「になっています」と「になっております」の違いです。この差は、単なる語尾の好みの問題ではなく、言語学的な「敬語の格」の違いに基づいています。
「になっております」の「おり」は、「いる」の丁重語(謙譲語II)である「おる」の連用形です。文化庁の定義によれば、丁重語とは「自分の側の動作や状態を、聞き手に対して改まって丁重に述べる敬語」を指します。自らの側の事象を一段へりくだって述べることで、相対的に相手への敬意を高める効果を持ちます。
使い分けの鉄則として、自社側のルール・スケジュール・仕様などを相手に伝える際は、「になっております」を選択するのがビジネスマナーとして極めて安全です。一方、同僚間のチャットツール等で「になっております」を連発すると、過度な堅苦しさや他人行儀な壁を感じさせるため、社内コミュニケーションでは「になっています」の軽快さがむしろ好まれる場面もあります。