かつて心理職の実務経験者向けに用意されていた経過措置、いわゆる「Gルート(実務経験5年+現任者講習会受講)」は、2022年9月に実施された第5回国家試験をもって完全にその幕を閉じました。これにより、民間資格や臨床経験のみを武器にペーパーテスト一発で資格を取得できる「抜け道」は完全に消滅しています。
現在の制度下において、公認心理師の受験資格を得るための王道は明確に制度化されています。実務経験ルートである区分B(大学+実務経験2年)の認定施設枠が極めて狭小であることを考慮すると、一般の社会人が目指すべき選択肢は「大学で指定25科目を修得した上で、大学院で指定科目を修了するルート(区分A)」に事実上絞られます。
この構造変化こそが、多くの挑戦者を絶望させ、「社会人には不可能」という言説を生み出す震源地となっています。大学の心理学部を卒業していない社会人の場合、最短でも通信制大学で2年間、その後の大学院修士課程で2年間、合計最低4年間の歳月を心理学の専門教育に捧げる覚悟が求められるのです。