P波とは?S波との違いと緊急地震速報の驚きの仕組みを徹底解剖

P波とは?S波との違いと緊急地震速報の驚きの仕組みを徹底解剖

P波とは?S波との違いと緊急地震速報の驚きの仕組みを徹底解剖の背景について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

地震の揺れを正しく理解し、適切な避難行動を取るためには、P波と対をなすS波(Secondary Wave=第二の波)との違いを把握することが欠かせません。学校教育の理科でも習う基本概念ですが、防災の現場や構造力学の視点から見ると、両者には建物を破壊するエネルギーの伝わり方に根本的な断絶が存在します。

以下の比較表は、気象庁および防災科学技術研究所(NIED)の技術公開資料をもとに、P波とS波の物理的・工学的差異を体系的に整理したものです。

項目P波(Primary Wave)S波(Secondary Wave)防災・避難における実務的評価波動の種類縦波(疎密波・体積変化)横波(剪断波・形状変化)波の性質の違いが揺れの質を左右する根本因地殻内の伝播速度秒速約5.0〜7.0km秒速約3.0〜4.0kmP波はS波の約1.73倍高速(√3倍の理論値)引き起こす揺れ初期微動(比較的小さな上下・前後動)主要動(大きく破壊的な横揺れ)建物を倒壊させるのはS波が主動力を担う媒質の透過性固体・液体・気体をすべて透過固体のみ(液体・気体は通過不可)地球の外核(液体)をS波が通らない証拠となる破壊力・エネルギー比較的小さい(直下型では突き上げ感あり)極めて大きい(家具転倒・家屋倒壊の主因)初期微動の数秒間に安全確保姿勢を取れるかが生死の境

表から明らかな通り、S波は物体を横方向にねじる「剪断(せんだん)変形」を伴うため、液体や気体のように形を保つ復元力を持たない物質の中を進むことができません。一方、P波は物質が圧縮された際の反発力を頼りに進むため、岩石のみならず地下水や海水、さらには大気中まで伝播します。海上の船が地震の際に「海底から何かが突き上げたような衝撃」を感じる現象(海震)は、海底の岩盤から海水へとP波が縦波のまま音波として伝わることで発生する典型例です。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。