ヘアドネーションを検討する際、真っ先に理解しておくべきなのが受け入れ体制の構造変化です。日本国内のパイオニアである特定非営利活動法人「JHD&C(ジャーダック)」をはじめとする各支援団体では、受付ルールの見直しが進められてきました。美容室を訪れる前に知っておかなければならない最大のポイントは、ヘアドネーションの送付代行終了の理由と、それに伴う施術当日のフローです。
数年前までは、カットを担当したサロンが複数人分の毛束をまとめて団体へ郵送するサービスが広く行われていました。しかし現在、JHD&Cをはじめとする主要団体においてサロン経由の送付受付は完全に停止しています。公式発表資料や業界関係者への取材によると、送付代行終了に至った背景には「個人情報保護の厳格化」「サロン側の過度な事務・郵送費負担の解消」、そして「誰がどのような想いで寄付したのかをドナー自身が実感するトレーサビリティの確保」という3つの決定的な理由が存在します。
つまり、サロンに足を運べばすべてお任せで完了した過去とは異なり、ヘアドネーションはドネーションカット後の持ち帰りが標準となっています。美容室側が行うのは「規定に沿って毛束を小分けにブロッキングし、濡らさずに切断して顧客へ手渡す」という施術工程までです。この事実を知らずに来店し、レジ前で「ご自身で郵送をお願いします」と毛束を渡されて困惑する利用者が今なお散見されます。訪問前の段階で、持ち帰り用のジッパー付きビニール袋や封筒を準備しておく意識が求められます。