築50年マンションはあと何年住める?買ってはいけない理由と寿命の真相

築50年マンションはあと何年住める?買ってはいけない理由と寿命の真相

築50年マンションはあと何年住める?買ってはいけない理由と寿命の真相について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

「古くなっても、最後は建て替えて新築タワーマンションに生まれ変わるのではないか」という淡い期待を抱く買い手は後を絶ちません。しかし、日本のマンションストック約700万戸のうち、これまでに実際に建て替えが完了した物件はわずか300件程度、全体の0.1%未満という絶望的な数字が公式発表データから浮き彫りになっています。

なぜ建て替えは進まないのか。最大の要因は建て替え問題と費用負担です。かつて同潤会アパートの建て替えなどが成功した背景には、敷地に余裕があり、容積率を大幅に引き上げて増工した住戸を一般分譲し、その売却益で既存住民の建設費を賄えたという特殊要因がありました。現在の築50年マンションの多くは、すでに既存の容積率上限いっぱいに建てられており、還元率(従前の広さを無償で取得できる割合)はほぼゼロです。

建て替えを実施する場合、区分所有者1戸あたり「2,000万〜3,500万円超」の自己資金負担が求められます。しかし、築50年マンションの現場を歩くと、住民の半数以上が年金生活を送る70代〜80代の高齢者で占められています。取材に応じたある管理組合の元役員は、重い口を開いてこう証言しました。

「建て替え推進委員会を立ち上げ、大手デベロッパーと何度も協議を重ねました。しかし、総会で住民から返ってきたのは『年金暮らしで数千万円のローンなど組めるわけがない』『私はあと10年生きられればそれでいい。死んだ後の建て替えなど迷惑だ』という切実な悲鳴でした。区分所有法が定める5分の4(80%)の賛成票を集めるなど、土台不可能な夢物語です」

法改正によって建替え決議の要件緩和が議論されているものの、最終的な金銭負担を誰が負うかという根本的課題が解決されない限り、老朽化マンションの建て替えは大多数の物件にとって「非現実的な机上の空論」であり続けています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。