プロが明かすリアルな目の描き方|平面的になる原因と劇的上達の全手順

プロが明かすリアルな目の描き方|平面的になる原因と劇的上達の全手順

プロが明かすリアルな目の描き方|平面的になる原因と劇的上達の全手順に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

丹念に時間をかけて描いた瞳が平面的に見えてしまう現象には、明確な理由が存在します。イラスト初心者や独学の描き手が直面する目の描き方で失敗する理由の第1位は、「目というパーツを記号(シンボル)として認識していること」に起因します。

認知心理学の研究でも知られる通り、人間の脳は他者の表情を瞬時に読み取るため、目を極めて強い情報源として特別視します。その結果、無意識のうちに「白目は純白」「黒目は平らな丸」「まつ毛は外向きのトゲ」といった極端な記号化(デフォルメ)を無自覚に画面へ投影してしまいます。

具体的には、以下の3つの典型的な過ちが立体感を破壊しています。

第一に、白目を無陰影の真っ白で残してしまうミスです。眼球は直径約24ミリメートルの球体であり、奥まった眼窩(がんか)の中に収まっています。したがって、まぶたの影や光の角度に応じた陰影が白目にも均等に落ちます。ここを紙の白やデジタル上の「#FFFFFF」のまま放置すると、瞳だけが背景から浮き上がり、切り絵のような平坦さを生み出します。

第二に、虹彩を「平らなコイン」のように捉えてしまう点です。眼球の表面には透明な「角膜」がドーム状に盛り上がっており、その奥にある「虹彩」は中央の瞳孔に向かってすり鉢状にくぼんでいます。この「透明なドーム」と「奥まったすり鉢」という二重構造を理解せずに表面だけを塗ると、光の屈折や吸い込まれるような奥行きが完全に失われます。

第三に、まぶたの「厚み(エッジ)」の欠如です。まぶたは紙のような薄膜ではなく、厚みを持った皮膚のひだです。上まぶたのフチ、下まぶたの粘膜の上面には必ず光を受ける面と落ち影の面が存在します。このミリ単位の段差を描き落とすことで、眼球と皮膚の境界が曖昧になり、立体としての説得力が消失します。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。