執刀医とは?主治医との違いや名医の選び方、指名の裏事情を徹底解剖

執刀医とは?主治医との違いや名医の選び方、指名の裏事情を徹底解剖

執刀医とは?主治医との違いや名医の選び方、指名の裏事情を徹底解剖についての真相を徹底解説します。

万が一、手術中に予期せぬ事態が発生し、後遺症や患者の死亡といった事態に至った場合、法的な責任はどこに帰属するのでしょうか。日本の民事訴訟実務において、執刀医の医療過誤責任は民法709条に基づく不法行為責任、または病院を開設する医療法人との診療契約違反(債務不履行責任)として追及されます。

過失の有無を判断する基準となるのは「当時の臨床医療水準に照らして、結果回避義務や予見義務を尽くしていたか」という点です。執刀医が直接的な手技ミス(誤穿刺や臓器損傷など)を起こした場合は執刀医本人の責任が重く問われますが、組織的な安全管理体制の不備であれば病院の使用者責任(民法715条)が問われます。前立ちが若手執刀医の明らかなミスを静観・放置した場合、助手の過失責任が認定された判例も存在します。

一方で、患者心理として根強く残るのが「先生に良くしてもらいたいから」という動機による執刀医への挨拶や手土産の授受です。昭和から平成初期の医療界では菓子折りや現金(いわゆる「お志」)を渡す慣習が散見されましたが、現在の医療法規およびコンプライアンス規程において、公立病院はもちろん民間病院であっても金品・進物の受け取りは全面禁止が鉄則となっています。

公立病院の医師が金銭を受け取れば、刑法上の加重収賄罪などの汚職事件に発展します。民間病院であっても、患者間で不公平な医療提供が生まれることを防ぐため厳格に処罰されます。医師の側からすれば、渡された謝礼を断るやり取り自体が精神的負担となり、診療の円滑な進行を妨げるノイズにしかなりません。感謝の意を示したいのであれば、退院後に治療経過への謝意を綴った「手紙やメッセージカード」を病院宛に送ることが、医療従事者にとって最も喜ばれる健全なコミュニケーションです。

【プロの結論】後悔しない手術のために患者が持つべき明確な判断基準

医療における患者と医師の関係性は、過度な依存や無条件の崇拝(パターナリズムへの服従)から、対等な立場で情報を共有し合意形成を図る「シェアード・ディシジョン・メイキング(共有意思決定)」へと完全にシフトしています。

自分の手術を委ねるにあたり、安心できる医療機関・チームと出会うための適性基準は以下の通りです。

  • 現在の医療機関を信頼して進めるべき人:執刀医および主治医の役割分担が明確に説明され、リスクや代替療法について論理的な納得が得られている人。病院の専門医資格情報や診療実績が外部に開示されており、質問に対してチーム全体で一貫した回答が得られている人。
  • セカンドオピニオンまたは転院を検討すべき人:「執刀医が当日まで分からない」「リスクについて質問すると不機嫌になる」「他院への相談を拒む」といった不透明な対応をされた人。直感的な不信感や違和感を抱えたままメスを受け入れることは、術後の心理的トラウマを生む重大要因となります。
中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。