宿泊現場の実態をリサーチすると、客室選びの常識がここ数年で大きく変容していることが浮き彫りになります。特筆すべきは、ツインルームカップル宿泊の急増と、ビジネスマンを中心としたツインルーム1人利用という2つの潮流です。
カップル宿泊における「あえてツイン」の合理性
大手トラベルジャーナルが実施した旅行者アンケートや宿泊記ブログの言説を追うと、「カップル=ダブルルーム」という固定観念は崩れつつあります。SNSやレビュー欄には、次のような生々しい声が寄せられています。
「相手の寝返りやスマホを見る光、エアコンの温度設定で夜中に何度も目が覚めてしまい、翌日の観光が台無しになった」(20代後半・交際2年目女性)
「旅行中は歩き回って体が疲れているからこそ、就寝時だけは誰にも邪魔されず完全に自分のペースで深く眠りたい。ツインを選んでから旅先での喧嘩が激減した」(30代前半・夫婦)
睡眠トラッカーの普及に伴い、就寝時の微細な振動や布団の奪い合いが睡眠スコアを大幅に低下させることが可視化された結果、親密な関係であってもツインベッドを選択するカップルが確固たる支持を集めています。
ワーケーションと出張で広がる「1人ツイン利用」の満足度
一方、ビジネスや一人旅において「あえてツインルームをシングルユースする」利用法も定着しました。ホテル側の視点では、繁忙期以外に空室のツインを1名向けに割安で提供するプランが存在します。利用者側にとっては「片方のベッドを就寝専用にし、もう片方を着替えや資料、キャリーケースの整理スペースとして贅沢に使える」という圧倒的な作業効率の良さが評価されています。