今注目を集めている 看護師国家試験ボーダーの真相|必修8割の壁と合格点激変の理由について、多角的な視点をご紹介しています。
合否基準点がなぜ動くのかを理解するには、過去数年間の公式記録と得点率の推移を俯瞰することが最短の近道です。厚生労働省が公表した公式合否判定データから、近年の数値推移を比較検証します。
実施回(実施年)必修問題 合格基準一般・状況設定 合格基準点全体合格率(新卒合格率)採点除外等の問題数第111回(2022年)40点以上 / 50点(80.0%)167点 / 250点(66.8%)91.3%(96.5%)必修0問 / 一般状況0問第112回(2023年)40点以上 / 49点(81.6%)161点 / 249点(64.7%)90.8%(95.5%)必修1問除外 / 一般状況1問第113回(2024年)40点以上 / 50点(80.0%)157点 / 249点(63.1%)87.8%(93.2%)必修0問 / 一般状況1問第114回(2025年)40点以上 / 50点(80.0%)164点 / 250点(65.6%)89.9%(95.1%)必修0問 / 一般状況0問第115回(2026年最新)40点以上 / 50点(80.0%)見込み160点〜165点前後(推計)約90%前後を維持合格発表時に確定開示
データが物語る通り、一般・状況設定問題の合格ボーダーは第111回の167点から第113回の157点まで、実に10点もの幅で変動しています。この差を生み出す背景には、国家試験が担う「医療現場の需給調整」という社会的ミッションが存在します。
厚生労働省は、国家試験全体の合格率を例年おおむね90%前後(新卒者は93〜95%程度)に着地させる運用を長年維持しています。受験者全体のレベルが著しく落ちたわけではなくとも、長文読解問題の増加や多肢選択式(複数の解答を選ばせる問題)の比率が上がると全体の平均点が下がります。その結果、合格率90%ラインを維持するために基準点が下がるという構造です。これこそが合格基準点変動の理由に他なりません。