大ベストセラーに伴い、世間の大きな関心事となったのが「又吉直樹が得た印税の総額」です。一般的な書籍の印税率(約10%)から試算すると、単行本(定価1,200円+税)が約250万部、その後の文庫本(定価約530円+税)が数十万部以上売れたことにより、推定印税額は3億〜4億円以上に達したと見られています。
当時、バラエティ番組等でも相方の綾部祐二から激しく嫉妬交じりにイジられるなどして笑いを誘いましたが、又吉本人は至って冷静でした。高額な税金を納めつつ、後輩芸人たちへの飲食代や大量の書籍購入、執筆環境の整備などに誠実に還元していったエピソードは、彼の誠実な人柄を象徴しています。
また、後に発売された文庫本に収録された作家・西加奈子氏による解説も、読者の間で「本編に匹敵する名文」として極めて高い評価を得ています。西加奈子氏は解説の中で、又吉が持つ人間への深い慈しみと、表現者としての狂気を鮮やかに言語化しており、文庫版を手に取る大きな魅力の一つとなっています。