日本人が蕎麦を啜る際、最も快感を覚える要素の一つが「喉越し」です。十割そば(生粉打ち)は蕎麦本来の力強い風味や野趣あふれる香りが最大の魅力ですが、グルテンを含まないため麺が切れやすく、ボソボソとした食感になりやすい難点があります。
そこで真価を発揮するのが二八蕎麦の小麦粉割合(20%)です。小麦粉に含まれるタンパク質(グルテニンとグリアジン)が水と結びつくことで適度な粘弾性を生み出し、麺にしなやかなコシを与えます。蕎麦粉の香りを損なわない上限ギリギリのラインが8割であり、これ以上小麦粉を減らすと切れやすくなり、増やせば蕎麦特有の風味が薄れます。この絶妙なバランスこそが二八そばが「黄金比率」と呼ばれる所以です。