ネット上の情報検索において、一部で「番組の小さな旅 挿入歌として毎週歌が流れていた」あるいは「途中で歌手が交代したのではないか」という誤解が散見されます。ここで事実関係を明確にしておきましょう。
第一に、番組本編のオープニングおよびエンディングで使用されてきたのは一貫してインストゥルメンタル演奏です。岩崎宏美の歌うバージョンは、番組の人気とともに企画されたスピンオフ・イメージソングとしての立ち位置を持っていました。
第二に、歴代で別の歌手が同曲を正式カバーして番組主題歌を引き継いだという事実はありません。『小さな旅』のボーカル曲といえば岩崎宏美の歌唱版が唯一無二のオリジナルであり、現在もその地位は揺らいでいません。
こうした誤解が生じる背景には、NHKの紀行・旅番組において、テーマ音楽に歌詞をつけた企画盤が多数リリースされた黄金期の文化があります。記憶の中で映像とレコードの音が美しく融合した結果、あたかも番組内で歌が流れていたかのような印象が語り継がれているのです。