ネットカルチャーに詳しくない読者にとっても、「みけねこ」という名前は一度は目にしたことがあるはずです。彼女の原点は2010年代初頭のニコニコ生放送にまで遡ります。端正なルックスと甘い声質、そしてリスナーとの心理的距離を極限まで縮めるコミュニケーション能力で、黎明期のネット配信界で確固たる地位を確立しました。これが配信者みけねこの経歴における最初の黄金期でした。
転機が訪れたのは2019年。大手VTuber事務所・ホロライブの3期生「潤羽るしあ」としてデビューすると、キャラクターと魂(演者)の感情がシンクロした熱烈な配信スタイルで爆発的な人気を獲得。YouTubeのスーパーチャット世界ランキングで年間トップに君臨するなど、VTuber業界の頂点を極めました。しかし、栄華は突如として瓦解します。
2022年2月、ゲーム実況の生配信中に、画面上へ人気音楽ユニット「After the Rain」のボーカル・まふまふ氏からのプライベートなDiscord通知が映り込みました。この「通知事故」を契機に熱愛・同棲疑惑が急速に拡散し、ネット上は大炎上へ発展。直後の情報開示や関係各所への対応を巡る混乱の中で、所属事務所カバー株式会社は「機密情報の漏洩および契約違反」を理由に契約解除を発表しました。これが第一幕の結末です。
その後、個人名義のYouTube配信や声優業へと進出したものの、本当の激震は2024年1月に訪れました。週刊誌報道を契機に、まふまふ氏が自身のブログで「2021年夏に入籍し、2022年7月に協議離婚していた」という衝撃的な事実を告白したのです。さらに、婚姻期間中の度重なるモラハラ行為や、離婚後にネット上で誹謗中傷の書き込みを行っていた人物の発信者情報開示請求を行った結果、それが元妻であるみけねこ氏側のアカウントであったと主張。名誉毀損による刑事告訴へと踏み切りました。
これに対し、みけねこ側も即座に弁護士を通じて公式声明を発表。「一方的な主張であり事実無根の点が多い」として、自身に対する名誉毀損や精神的苦痛を理由に反訴および逆告訴を行う意向を示しました。かつてネットカルチャーの頂点に立っていた2人が法廷で全面対決する事態となり、世間は騒然としました。双方がSNSや配信で心情を吐露し合う泥沼劇は、ネット史上最悪のプライベート暴露戦へと発展したのです。
しかし、2024年10月、事態は急展開を迎えます。双方の代理人弁護士を通じて「民事訴訟および刑事告訴の双方案件を取り下げ、円満に和解が成立した」旨の文書が公表されました。互いにこれ以上の追及を行わず、誹謗中傷を控えるという条件のもと、約2年半に及んだ法廷闘争は法的な幕引きを迎えたのです。