劇的なブレザー化の波に洗われながらも、あえてセーラーワンピースを頑健に維持し続けている学校が存在します。それらの多くは、創業100年を超える歴史と確固たる教育理念を持つ伝統私立女子校です。ここでは、現在もその優美な意匠を教育の根幹に据え続ける代表的な名門校の動向を紐解きます。
カトリック精神に基づく女子教育を実践する白百合学園(東京都千代田区など全国の姉妹校)では、盛夏服として採用されている淡い水色のセーラーカラーワンピースが有名です。胸元に光る白百合の刺繍と、凛とした気品を醸し出すデザインは、同校の揺るぎないアイデンティティとして卒業生からも絶大な誇りを持って語り継がれています。
日本の学校制服として初めてセーラー服を導入したパイオニアの一つとされる福岡女学院(福岡県福岡市)も外せません。冬服は重厚なセーラー服ですが、夏服には涼やかな白襟が映える紺のワンピース型セーラーを採用しており、福岡の街の初夏の風物詩として市民からも深く愛され続けています。
このほか、ノートルダム女学院(京都府)の清潔感あふれる夏服ワンピースや、関西の名門・仁川学院(兵庫県)の洗練されたセーラーワンピースなど、地域を代表する進学校やお嬢様学校において、制服は単なる被服を超えた「建学の精神の具現化」として機能しています。これらの学校では、変更を検討するアンケートを生徒や保護者に実施しても、「この制服に憧れて入学した」「母娘二代で袖を通す伝統を守りたい」という圧倒的な存続支持が集まる傾向にあります。