民間調査機関や加害者家族支援組織、カウンセリング現場には、法廷に持ち込まれる以前の複雑な親族間トラブル 事例が数多く寄せられています。
長年にわたり犯罪加害者家族の支援を続けるNPO法人ワールド・オープン・ハートの阿部恭子氏は、メディアの取材において「日本における近親性交は『究極の家族病理』と呼んでも過言ではない」と指摘しています。阿部氏によると、日本国内における殺人事件の約4割が親族間・家族間で発生しているという客観的事実と同様に、外部から遮断された密室空間にストレスや歪んだ権力構造を長年ため込んだ末の悲劇として、性的な越境が発生するケースが後を絶ちません。
探偵事務所や相談室の記録にも、過酷な実情が記録されています。ある調査機関が明かした実例では、小学生の時に父親を亡くし、母親と二人きりで生活してきた男性のケースが挙げられています。母親の極端な過干渉と溺愛により、生活の全領域を支配された結果、思春期以降に母子間での性的な関係へと引きずり込まれ、成人後も共依存から脱出できずに精神的破綻をきたして相談に至ったという生々しい記録が存在します。
また、ネット掲示板や知恵袋などのコミュニティに投稿される当事者の手記からは、「幼少期から兄や父親に性的な行為を強要されていたが、それが異常なことだと気づいたのは大人になってからだった」「家族を壊したくないという恐怖心から誰にも言えなかった」といった、深刻な心理的拘束とトラウマに苦しむ被害者の叫びが浮き彫りになっています。