インターネット上の相談窓口や闘病ブログを閲覧すると、「半年前に異常がなかったのに、受診した時にはすでに進行していた」「自覚症状が出てから数ヶ月でステージIIIまで進んだ」という体験談が目立ちます。こうした証言は単なる都市伝説や大げさな表現ではなく、医学的見地からも実際に起こりうる現実です。
病勢の進展スピードを決定付ける決定的な要素が、子宮体癌組織型違いにあります。子宮の内膜から発生する悪性腫瘍は単一の疾患ではなく、顕微鏡下の細胞構造や遺伝子変異によって全く異なる振る舞いを見せます。
臨床現場において最も頻度の高い「類内膜癌(Grade 1および2)」は、女性ホルモン(エストロゲン)の長期的な刺激が関与するType I(1型)に分類されます。このタイプにおける子宮体癌類内膜癌進行速度は一般的に緩やかであり、正常な内膜から子宮内膜増殖症、異型増殖症を経て浸潤癌へと至るまでに数ヶ月から数年のスパンを要します。早期に発見できれば子宮筋層の浅い部分にとどまり、切除手術のみで根治が期待できるケースが大多数です。
しかしながら、全体の1割から2割程度を占めるType II(2型)に分類されるタイプは様相が一変します。その代表格である子宮体癌漿液性癌特徴としては、エストロゲンに依存せず高齢女性に好発すること、そして腫瘍が原発部位で小さいうちから子宮の壁を貫き、卵管や腹膜、リンパ節へと早期に播種・転移する極めて強い浸潤性が挙げられます。この高異型度タイプの場合、初期の細胞変異からわずか3〜6ヶ月で遠隔転移を伴う進行期へと駆け上がるケースが確認されています。患者が「数ヶ月で急激に悪化した」と証言する背景には、この悪性度の高い組織型が潜んでいるケースが少なくありません。