田中聖の転落の起点を辿ると、2013年9月のグループ脱退および専属契約解除に行き着きます。当時、事務所が発表した脱退理由は「度重なるルール違反」。副業としての飲食店経営やプライベートでのトラブルが重なった結果の処分でした。
グループのメインラッパーとして圧倒的なカリスマ性を誇っていた彼にとって、巨大グループの看板を失った打撃は計り知れないものでした。ソロ活動やバンド活動(INKT)を展開するも、資金繰りや集客の重圧が常にのしかかります。関係者の証言によると、ライブツアーのプレッシャーや周囲の期待に応えられない焦燥感から、重度の不眠症やうつ状態に悩まされていたとされています。
薬物依存症の専門医療機関の臨床データが示す通り、覚醒剤への依存は単なる「快楽の追求」ではなく、「自己治療的(Self-Medication)」な側面を持ちます。耐え難い孤独や精神的苦痛を一時的に麻痺させるために薬物に手を伸ばし、効果が切れるとさらに強い不安に襲われて再使用する悪循環です。華々しいスターダムから転落した喪失感が、彼を薬物の闇へと引きずり込んだ構造が見て取れます。