法律上の大原則として、他人が契約・管理している電力を無断で使用する行為は、れっきとした犯罪行為に該当します。日本の刑法第245条には「この章の罪については、電気は、財物とみなす」と明確に規定されており、同法第235条の窃盗罪(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が適用される枠組みが存在します。
法解釈において重要なのは、「被害金額の多寡」と「犯罪の成立要件」は別次元であるという点です。たとえ1回の充電コストが1円未満であったとしても、会社の承諾を得ずに私的な目的で電力を消費した瞬間、形式的には電気窃盗の構成要件に該当します。過去には、飲食店の屋外コンセントや駅構内の電源タップを無断で使用し、被害額数円から数十円規模で警察に被害届を出され、書類送検された刑事事件の判例・摘発例が実際に複数報告されています。
民事上でも、無断使用した電力分は会社の所有権を侵害した「不法行為(民法第709条)」あるいは「不当利得(民法第703条)」とみなされ、損害賠償請求の対象になり得ます。法的な観点から言えば、「ほんの少しだから許される」という例外規定は存在しないのが冷厳な現実です。