2019年の結婚発表当時、ファンコミュニティに走った衝撃は極めて大きなものでした。ファンクラブ会員に向けて送られたメッセージカードには、直筆の署名とともに「ここで一人の男としてケジメと決断をし、今日、ファンの皆様にご報告させて頂きました」と綴られていました。しかし、その受け止め方は決して一枚岩ではありませんでした。
SNSやネット掲示板上では、長年の活動を支えてきた熱心なファンによる「おめでとう」という祝福の声が上がる一方で、「なぜ活動休止(2020年末)のゴールまであと1年待てなかったのか」「ツアーの最中に発表する必要があったのか」という悲痛な叫びが渦巻きました。特に騒動の火種となったのが、交際報道前後にネット上で激しい議論を呼んだ「匂わせ画像」問題です。
当時、伊藤さんが更新していた会員制有料ブログにおいて、嵐のグッズ、二宮の好物、あるいは二宮が着ていたとされる服や出演作のポスターなどが背景に写り込んでいたのではないかとネット上で検証・拡散されました。この行為が、アイドルの私生活と夢の空間を不可侵のものとして愛好してきたファンにとって、強い心理的侵犯と捉えられたのです。
メディア論およびファン心理の観点から見ると、熱狂的なファンとタレントの間には「パラソーシャル関係(疑似的な親密関係)」が築かれています。ファンは多大な時間と費用を投じ、タレントの成長や物語を共有することで「共犯関係」のような精神的絆を感じています。その神聖な領域にパートナーの存在が予告なしに介入したことで、強い裏切り感や喪失感が生じたと分析できます。