テクノロジーと作家性の極限を追求し、映画館の存在意義そのものを守り続けているのがジェームズ・キャメロンとクリストファー・ノーランのふたりだ。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で驚異的な映像美を提示し、全世界を再び圧倒したキャメロンの手腕は、まさに映画の魔術師と呼ぶにふさわしい。彼は単に映画を撮るのではなく、映画を観るという体験そのものを再定義し、劇場でしか得られない没入感を生み出す。
一方で、実写撮影とIMAXカメラへの偏愛を貫くノーランもまた、観客を劇場へと駆り立てる稀有な旗手だ。彼らが手がける本格的なSF映画や重厚な人間ドラマは、「映画館で観なければ意味がない」という強烈な動機を観客に植え付ける。配信プラットフォームが普及し切った現在、彼らのようなフィルムメーカーが放つ妥協なき映像体験こそが、劇場の灯を守る最後の防波堤となっている。