オアフ島ノースショアの伝説的フードトラック「ジョバンニ」の味わいを決定づけているのは、ガツンと脳を刺激するにんにくのパンチと、噛み締めた瞬間にあふれ出すエビのジューシーな旨味です。多くの家庭料理レシピではサラダ油や市販のソースが多用されがちですが、本場の味に近づけるためには油脂の構成比率と乳化プロセスに注目しなければなりません。
決定的な調合は、オリーブオイル3に対してバター1(3:1)の比率です。オリーブオイル単体ではハワイ特有のリッチなコクが不足し、バター単体では発煙点が低いためフライパン調理時ににんにくが瞬時に焦げ付いてしまいます。オリーブオイルで耐熱性とフルーティーな風味を担保し、仕上げに良質な有塩バターを投入して乳化させることで、名店特有の「重層的なオイルソース」が完成します。
さらに重要なのが、にんにくの粒度設計です。エビ10〜12尾に対してにんにく丸ごと1個(約6〜8片)を使用するのが現地流ですが、すべてを均一にみじん切りにしてはいけません。半分を粗みじんにしてザクザクとしたクリスピーな食感を残し、残り半分をすりおろし(または極細微塵)にしてオイル全体にアリシン由来の香味を行き渡らせることで、立体的な旨味のグラデーションが生まれます。