自由が丘のベネチアは閉店?ラ・ヴィータ現在の様子と撤退の真相

自由が丘のベネチアは閉店?ラ・ヴィータ現在の様子と撤退の真相

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ラ・ヴィータが開業したのは1990年代初頭のバブル崩壊直前期。当時、自由が丘の街づくりの一環として、日常の中に上質なヨーロッパの非日常空間を創出する野心的なプロジェクトとして誕生しました。敷地面積約1,000平方メートルというコンパクトな空間にイタリア直輸入の部材を惜しみなく投入した空間デザインは、メディアでも大々的に取り上げられ、週末には順番待ちの行列ができるほどの熱気を誇りました。

しかし、時代の変遷とともに商業施設としての構造的な弱点が露呈し始めます。アパレル関係者や都市計画コンサルタントの証言を総合すると、撤退が加速した決定打には以下の3つの要因が存在します。

第1に、「滞在時間の短さ」と飲食採算性のミスマッチです。ラ・ヴィータは非常にフォトジェニックである半面、敷地規模が小さいため、建物を一周するのに5分もかかりません。観光客は「写真を撮る」ことだけを目的に訪れ、敷地内の飲食店にお金を落とさずに自由が丘駅前の商業エリアへ移動してしまうケースが常態化しました。

第2に、自由が丘エリア全体の商業再開発との競合です。駅前広場の再開発や複合ビルの刷新が進む中、駅から徒歩5分強の緩やかな坂を登る必要があるラ・ヴィータの立地は、目的性の薄いフリー客の集客において不利に働きました。さらに、屋外吹き抜け構造ゆえに夏の猛暑や冬の寒さ、雨天時の集客低下がテナントの売上を直撃しました。

第3に、水辺空間の維持管理コストの増大です。屋外水路と木造ゴンドラを美しく維持するには、定期的な清掃、水質管理、木製パーツの防腐処理など莫大なランニングコストが発生します。一般的な商業ビルに比べて共益費負担が重く、個人経営の物販店が長期的に利益を出し続けるハードルが極めて高かったのです。

山田 真由
著者

山田 真由

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