シアターサンモールの座席表を確認すると、客席は中央の通路を挟んで前後におよそ18〜19列、横幅は最大で16〜17席という配置になっています。総座席数は294席。大型劇場の1階席後方や2階席・3階席と比較すれば、どの位置であっても舞台上の演者との物理的距離は極めて近く保たれています。しかし、座るブロックごとに観劇体験の質は劇的に変化します。
舞台の迫力を最前線で浴びる前方ブロック(おおむねA列〜E列)は、演者の微細な表情の変化、衣装の擦れる音、飛び散る汗まで感じ取れる特等席です。一方で、舞台の高さに対して客席フロアが低いため、終始「見上げる姿勢」を強いられます。首への負担が生じやすいほか、舞台の奥深くで行われる演技や床面を使った演出が手前の舞台縁に隠れて見えにくくなる場合があります。
視界のバランスが最も優れているのは、傾斜がしっかりと効き始める中段ブロック(F列〜K列)です。演者の全身が自然なアイレベル(目線の高さ)に収まり、舞台全体の照明効果やフォーメーションの美しさを俯瞰しながら、個々の演技も鮮明に追うことができます。視界の抜け、音響バランスの双方において、観劇ファンの間でも「実質的なベストシート」と評されるエリアです。
気になる後方ブロック(L列〜S列)ですが、シアターサンモール最大の強みである「しっかりとした段差構造」が真価を発揮します。1列ごとの段差が大きめに設計されているため、前の座席に座る観客の頭で舞台中央が完全に隠れてしまうストレスは最小限に抑えられています。最後列であっても舞台までの直線距離は約15〜17メートル程度であり、大型劇場の2階席最前列よりも圧倒的に演者を身近に捉えることが可能です。
ただし、両サイドの端席(1〜3番、14〜16番付近)には注意が必要です。舞台との角度が鋭角になるため、上手(かみて)または下手(しもて)の袖幕近くに組まれた大道具の裏側が見切れたり、反対側の奥に立つ演者が手前のセットに遮られたりする瞬間が生じます。スピーカーに近いため音響の直接音を強く浴びやすい点も、端席ならではの固有条件です。