「二日目のお風呂を使う最大の動機は節約である」——この前提そのものが、実は構造的な計算違いに基づいている可能性があります。多くの生活者は「水道代が浮く」というプラス面ばかりに目を奪われ、「冷めきった200リットルの水を温めるための熱エネルギー(ガス代・電気代)」というマイナス面を過小評価しがちです。
一般的な浴槽容量(約200L)を基準に、冬場(水温約10℃〜15℃)に「お湯を完全に捨てて新しく給湯し直す場合」と「前日の冷めた残り湯を42℃まで追い焚きする場合」のコストを試算・比較した検証データが以下の通りです。
データが雄弁に物語る通り、都市ガス世帯であっても、浮く金額はせいぜい1回あたり10円〜20円前後に過ぎません。月間に換算しても300円〜600円程度の差額です。しかもプロパンガス(LPガス)世帯に至っては、追い焚きに必要な熱量が割高なガス料金に直結するため、水道代を浮かした金額以上にガス代が跳ね上がり、経済的赤字に陥ります。
高効率給湯器(エコジョーズ等)は、直圧式で新しくお湯を沸かして注ぐ「給湯」の熱効率が最も高く設計されており、浴槽内の冷え切った澱み水をパイプで吸い上げて再加熱する「追い焚き」は熱交換ロスが生じやすい構造的特徴を持っています。「水道代をケチるために追い焚きをして、より高額なガス代を払う」という現象は、家計防衛において最も避けたい典型的な見落としです。