美容室と理容室を隔てる最大の壁は、厚生労働省が管轄する「美容師法」と「理容師法」という2つの異なる法律です。それぞれの法律第1条・第2条において、業務の定義が明確に区別されています。
理容師法では「頭髪の刈込、顔剃り等の方法により、容姿を整えること」と定義されており、目的はあくまで身だしなみを整える「整容」にあります。一方、美容師法では「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされており、美的な装飾や演出を行う「美容」が目的として掲げられています。
かつては「理容室ではパーマをかけてはならない」「美容室で男性のカットのみを行ってはならない」といった厳格な運用通知が存在していましたが、厚生労働省による規制改革が進み、現在では性別によるカットやパーマの制限は事実上撤廃されています。しかし、「免許の種類」と「顔剃りの可否」に関する法的区分は依然として厳格に維持されています。