ドラマ『天までとどけ』の最大の魅力は、実在の大家族をモデルにした温かくも時に厳しい丸山夫妻の存在感でした。母・定子役を演じた岡江久美子さんは、朝の情報番組『はなまるマーケット』の司会と並行しながら、エネルギッシュで愛情深い母親像を完璧に体現しました。しかし2020年4月23日、初期の乳がん治療に伴う放射線療法で免疫力が低下していた中、新型コロナウイルス感染による肺炎のため63歳の若さで急逝。感染症対策の厳戒態勢下で対面すら叶わぬままの別れとなり、日本中に深い悲しみを与えました。
その約8か月後となる2020年12月30日、父・雄平役として丸山家を厳しく温かく束ねた綿引勝彦さんが膵臓がんのため75歳で逝去。綿引さんは2018年にがんと診断され、闘病を続けながら俳優活動を行っていましたが、岡江さんの急逝に際しては「久美、悔しいだろう。あんなに元気だったお前がなぜ…」と言葉を詰まらせていました。丸山家の大黒柱を支えた父母が同年中に旅立った出来事は、視聴者だけでなく残された兄弟キャストたちにとっても計り知れない喪失となりました。