構造物を撮り続けてきた男が、突如として「人間の顔」と「スマートフォンの画面」について語り始めたとき、批評界には激震が走った。株式会社ゲンロンから刊行された著書『新写真論 スマホと顔』は、まさに現代写真のパラダイムシフトを鮮烈に告げる一冊となった。
かつてカメラは世界を切り取るための道具だった。しかし今、私たちはスマホのインカメラで自分自身を撮り、加工し、ネットワークへ放流している。被写体でありながら撮影者であり、鑑賞者でもある自己。大山は、誰もが日常的に行う自撮りや画面操作という身体的振る舞いを足がかりに、写真というメディアの変容を解剖してみせた。土木写真家が突きつけた強烈なメディア論は、多くの思想家やアーティストを唸らせた。