ワインの魅力を最大限に引き出すのは、やはり料理との組み合わせだ。一般社団法人日本ソムリエ協会の名誉会長を務める田崎真也氏が提唱するように、繊細な食材の出汁や醤油の旨味とワインの酸味・渋みを合わせるアプローチは、日本の食卓に大きな変化をもたらした。ここ天満(大阪市)でも、その哲学が独自の形で花開いている。
天満の飲食店では、伝統的なフレンチの技法にとらわれない柔軟なペアリングが楽しめる。例えば、ソースの濃い串カツに果実味豊かな軽めの赤を合わせたり、出汁の効いたおでんに爽やかな酸味を持つ白やオレンジワインを寄り添わせたりする手法だ。料理とグラスのマリアージュ(ペアリング)を気負わずに探求できる自由さこそ、この街の醍醐味にほかならない。