観光庁が発表する消費動向調査を紐解くと、インバウンド需要の回復とともに旅行消費の質が劇的に変化していることがわかる。単なる菓子類の大量購入から、日本の美意識が宿る伝統工芸品や職人の手仕事に対する需要が急伸しているのだ。日常使いできるモダンな器や、伝統技法を現代風にアレンジしたテキスタイル製品が、国内外の感度の高い層を惹きつけてやまない。
同時に、免税店のあり方も刷新されている。空港の免税エリアだけでなく、街中のセレクトショップや百貨店が免税手続きの完全デジタル化を進め、旅行客の利便性は飛躍的に向上した。インバウンドと国内需要の双方を取り込むため、小売業全体が体験価値とストーリーテリングを重視した売り場づくりへと舵を切っている。