ドラマ版の最終回において、鮎川樹と川奈つぐみは幾多の試練を乗り越えて結ばれます。つぐみの父・元久は、娘が背負うであろう負担を案じるあまり頑なに二人の結婚を拒絶していましたが、樹の誠実な生き様と、娘の揺るぎない覚悟を目の当たりにし、ついに結婚を認めます。最終話で描かれた結婚式シーンは、周囲の偏見や不安を打ち破った二人への祝福に満ちていました。
一方で、原作漫画のネタバレを含むその後の展開に目を向けると、物語はさらに現実的で深遠なテーマへと踏み込んでいます。原作では結婚後、二人は「子どもを持つこと」についての議論と直面します。脊髄損傷による男性不妊の現実、過酷な不妊治療、そして特別養子縁組という選択肢の検討など、障がい者と健常者の夫婦が直面する制度的・肉体的な壁を、徹底した取材に基づいて描き出しました。
ドラマ版は「結婚という誓い」を美しいクライマックスとして設定したのに対し、原作コミックスは「結婚のその先にある生活と家族の構築」までを克明に描き切った点に、それぞれのメディア特性とメッセージ性の違いが見て取れます。