給料の額面だけを見ると「生活できない」水準に見える協力隊ですが、実質的な可処分所得を左右するのは給与以外の支援パッケージです。
最大のセーフティネットとなるのが「家賃補助と住宅手当」です。多くの自治体では空き家バンク物件や自治体所有の住宅を無償貸与、または家賃の全額・一部(上限月5万円程度)を公費で負担しています。都市部で毎月7万〜10万円の家賃を払っていた人にとって、住居費が実質ゼロになる恩恵は給与2〜3万円分の昇給に匹敵します。
また、年間およそ200万円確保されている「活動経費の内訳」も極めて重要です。この予算枠から以下のような費用が賄われます。
- 活動用車両のリース代・燃料代・保険料
- パソコンや作業道具などの消耗品・備品購入費
- スキルアップのための研修参加費や資格取得費用
- 地域住民への広報誌作成費やイベント開催費
活動用の公用車やガソリンカードが自治体から支給される場合、プライベートでの利用制限はあるものの、移動コストを大幅に抑制できます。さらに、任期の3年目または退任直後に活用できる起業支援補助金(上限100万円)は、地域の特産品開発や古民家カフェ、ゲストハウスなどの開業資金として強力なテコになります。
注意すべきは、自治体によって経費運用のルールがまるで異なる点です。柔軟に予算執行を認める先進的な自治体がある一方で、「領収書1枚ごとに課長の決裁が必要」「個人のスキルアップ研修は活動と認めない」と厳格に制限し、結局隊員が自腹を切らざるを得ないブラック自治体も厳然として存在します。