なぜ舌癌は「舌の側面」に集中して発症するのでしょうか。舌の側面のデキモノ原因を医学的に分析すると、最大の誘因は「慢性的な機械的刺激」であることが分かっています。傾いた親知らず、欠けた虫歯の尖った角、合わなくなった入れ歯や詰め物が、話す・食べるたびに舌の同じ箇所へ何万回も接触し続けることで、細胞の遺伝子異常が引き起こされます。そこに喫煙習慣や高濃度アルコールの摂取が加わると、発がんリスクは相乗的に跳ね上がります。
舌癌を公表した著名人の手記や闘病ドキュメンタリー、医療機関の臨床例を検証すると、共通して語られるのは「初期症状のわかりにくさと自己判断による遅れ」です。タレントの堀ちえみ氏が2019年にステージ4の舌癌を公表した際の手記でも、「最初は小さな口内炎だと思い、レーザー治療やビタミン剤の服用を続けていたが、次第に痛みが強まり半年以上経過してからがん専門病院で確定診断に至った」という生々しい経緯が綴られています。
臨床現場における舌癌初期症状画像の病理所見を分析すると、初期病変は教科書通りの腫瘍形態をとらず、わずかな粘膜のざらつきや、舌がん白い斑点白板症(前がん病変)、あるいは鮮やかな赤色を呈する紅板症(がん化率が約50%と極めて高い病変)として現れるケースが多発しています。本人が「少し皮がめくれた程度」と認識している段階で、すでに粘膜深部への微小浸潤が始まっていることが少なくありません。