板垣巴留の父親は、『グラップラー刃牙』などで知られる巨匠・板垣恵介です。巴留は三人姉妹の末っ子(三女)として生まれ育ちました。 現在でこそ広く知られるこの事実ですが、『BEASTARS』の連載開始当初、両者の親子関係は業界内でもごく一部の編集者を除き完全非公開とされていました。同じ週刊少年チャンピオン(秋田書店)という同一の看板誌で連載を持ちながら、情報を伏せ続けた背景には明確な理由が存在します。
最大の理由は、二世作家に付きまとう「親の七光り」という色眼鏡を徹底的に排除するためでした。板垣恵介という巨大なネームバリューに頼ることなく、自らの筆力とアイデアだけで読者に認められたいという強い自負があったとされます。転機となったのは2019年秋。『BEASTARS』が第11回マンガ大賞や手塚治虫文化賞新生賞を獲得し、名実ともに看板作家となったタイミングで、同誌42号にて「親子対談」企画が実現。公の場で初めて父娘関係であることが正式発表され、漫画ファンに大きな衝撃を与えました。