国際比較の議論において、欧州の経済大国であるドイツと日本の面積比較の理由が頻繁に取り沙汰されます。第二次世界大戦後の高度経済成長期、日本は経済規模や工業技術の文脈でしばしばドイツ(旧西ドイツ)をライバル視してきました。その際、日本側には「欧州の大国に比べて自国は小国である」という謙遜にも似た言説が定着していった経緯があります。
しかし、実際の領土面積を冷徹に突き合わせると驚くべき事実が露わになります。ドイツの国土面積は約35万7,588平方キロメートルであり、日本の約37.8万平方キロメートルの方が約2万平方キロメートルも広いのです。この差は、ほぼ四国全土(約1万8,800km²)がすっぽり収まる規模に相当します。
さらに欧州の主要先進国と比較しても、イギリス(約24.3万km²)やイタリア(約30.1万km²)を明確に上回っています。「日本=ちっぽけな島国」という自虐的な言説は、地理的事実ではなく、資源の自給率や山がちな地形に起因する心理的刷り込みによって形成された虚構に過ぎません。