近年、ドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』がリバイバルヒットを記録し、NHKのドキュメンタリー番組でも彼の思想が改めて特集された。そこには、言葉の力を信じ抜き、命を懸けて対話に臨む三島の姿があった。
この映像作品や検証番組を通して若者たちが感じ取ったのは、言葉に命を吹き込もうとした三島の切迫感である。そして興味深いことに、その切迫感は、太宰が死の間際まで原稿用紙に向かい『人間失格』を紡ぎ出した執念と酷似している。三島が徹底的に拒絶しようとした「太宰的病理」こそが、実は三島自身の最期を突き動かす原動質の一つであったとする分析は、現代の文壇批評家たちの間で急速に説得力を増している。