ネット上のコミュニティ(X、YouTube、知恵袋など)に投稿される「変化画像」の裏には、当事者が直面する生々しい現実があります。自著や手記を公表しているトランスジェンダー当事者や、ジェンダークリニック受診者の証言を丹念に追っていくと、美的な高揚感の影にある過酷な体調変化が浮き彫りになります。
取材に応じた30代当事者は、「投与開始から半年が過ぎた頃、階段を上るだけで息が切れ、重い荷物が一切持てなくなった。脂肪が付く前にまず筋肉が落ちていくため、強烈な倦怠感に数ヶ月間悩まされた」と打ち明けます。また、精神面への影響も小さくありません。エストロゲンの血中濃度変動に伴い、抑うつ気分、理由のない涙脆さ、情緒不安定といった月経前症候群(PMS)に類似した精神症状を経験するケースが報告されています。
外見の変化に関しても、「画像では見違えるように変わって見えても、他人が見れば男性骨格の特徴(肩幅、胸郭の厚み、喉仏)は隠せない」という心理的葛藤を抱える人が少なくありません。変化画像は「最も女性らしく見える角度やライティング」を厳選して発信される傾向が強く、現実の日常風景との間には少なからず乖離が存在します。