作品を語る上で欠かせないのが、ドラクロアに愛された賢いネズミ「ミスター・ジングルス」の存在と、日本国内で多くのファンを涙させた日本語吹き替え版の圧倒的な完成度です。
30匹以上のネズミとCGの融合で生まれた「名演技」
劇中で糸巻きを転がし、愛くるしい動きで看守たちを和ませたミスター・ジングルスですが、撮影現場では30匹以上の訓練された本物のネズミがシーンに応じて使い分けられていました。走るシーン、物を運ぶシーン、手元でじっとしているシーンなど、それぞれの特技を持つネズミたちが起用され、危険を伴うシーンや細かな表情のみ最先端のCGIが組み合わされました。撮影現場ではネズミ専用のトレーナーチームが常駐し、動物愛護のガイドラインに厳格に従って撮影が行われたことが当時のプロダクションノートに記録されています。
江原正士・銀河万丈・大塚芳忠らレジェンド声優による名吹き替え
日本テレビ系「金曜ロードショー」をはじめとするテレビ放送やソフト版で親しまれた日本語吹き替え版は、声優界の重鎮たちが顔を揃えた伝説的なキャスティングとして知られています。
- ポール(トム・ハンクス):江原正士(ソフト版)/大塚芳忠(フジテレビ版)
- ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン):銀河万丈(ソフト版)/石塚運昇(フジテレビ版)
- パーシー(ダグ・ハッチソン):家中宏(ソフト版)/森川智之(フジテレビ版)
特にソフト版で銀河万丈氏が吹き替えたコーフィの「ボス、暗いよ…怖いよ」という消え入るようなセリフは、字幕版に劣らない感情の揺さぶりを視聴者に与え、ネット上でも「声の演技だけで涙が止まらない」と現在も絶賛されています。